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体外受精を3回したあとの自然妊娠



主訴、問診、初診時の状況

38歳 女性 主婦

身長154センチ、体重60キロ

主訴:不妊

他に治していきたい症状:肩こり、偏頭痛(1,2ヶ月に1度)




経過

34歳 4月 某漢方診療所にて、妊娠希望を伝え漢方薬の投薬を受ける
   10月 不妊専門クリニック受診
       タイミング6回 人工授精2回
36歳 2月 ビッグママ治療室受診
37歳 2月 KLC受診 採卵するもポリープがあり切除(受精卵凍結)
    5月     凍結受精卵戻し(グレード1)、妊娠に致らず
    6月  KLCにて、2回目採卵ー1個フレッシュで初期胚を戻す
                     妊娠に致らず
    9月  KLCにて、凍結杯盤胞戻しー妊娠に致らず  
                   

38歳 12月 自然妊娠成立




ビッグママ治療室 初診時の状況(36歳)
生理の周期が30日以上と長めであり、粘った膜や塊が混じる。

5年ほど前から肩こりがきついことや、東洋医学的な体表観察から、 腎虚瘀血と判断し、腎気を補い気血をめぐらすことにより、瘀 血を取り去る治療方針にて施術。週に一度の間隔で施術


妊娠への作戦

治療室初診時の年齢が比較的高く(36歳)、それまでに、基本的な不妊にか かわる検査が終わり、人工授精、タイミングなどの挑戦も終わっているので、薬 物による排卵誘発を中心とした治療ではあまり結果が望めない状況ではないかと 判断。少し西洋医学的な治療はお休みしたいとのことでしたので、ある程度の期 間をおいて、体外受精などにチャレンジしましょうと話し合いました。


治療経過

●鍼灸治療だけで経過した1年

1)初診時より1年弱ほどの間

週に1回の鍼灸治療のみで経過。

腎気がたち、瘀血もある程度おち、肩こりなどが軽減、全体に 体調がよくなるも、妊娠にいたらず。加藤レディースクリニックでの体外受精 などの治療をお勧めする。




●体外受精と、鍼灸治療を平行して

2)西洋医学的な治療と東洋医学的な治療のミックスした時期

週に1度ほどの鍼灸治療をしながら、体外受精に挑戦。

1回目 順調に採卵するも、ポリープが見つかったために切除。
     卵は凍結(グレード1)

     3ヵ月後戻しー妊娠にいたらず

 2回目 6月 順調に採卵 
       2個採卵 グレード1をフレッシュで戻す
                妊娠に到らず
            ハイバンホウまですすむー凍結

     9月 凍結ハイバンホウを戻す
                妊娠に到らず。


患者さんへの提言

妊娠おめでとうございます(^^)。

骨盤内臓器を中心とする身体の土台の力が弱く、また瘀血とよばれる、 身体の中の古血を貯めやすいタイプの方です。

出産は、その古血を一気に落とし去ることができます。しかし逆に自分の生命力 を落としてしまう可能性もあります。いらないもの(古血)を落とすことができ るか、生命力を落としてしまうかは、出産時の身体の状態に大きく左右されます。

充分な体力を持って出産に臨めると、いらないものの排泄ができるお産となりま す。ぜひ、そうなりえるように身体作りをしてくださいね。

それは第一義的には 赤ちゃんな健やかな成長のためですし、ひいてはあなた自身の今後の健康のために大きな力になると思います。




瘀血を溜め込みやすい身体のタイプではあります。充分な睡眠、運動な どを取り入れ、排泄がスムーズな身体にしていきましょう。またお教えしたツボ にセンネン灸などで手入れすることも、小まめにしておくのが大事だと思います。

お母さんの健康は赤ちゃんにとってはなによりのものです、赤ちゃんと、お母さ ん。ふたりとも健康で気持ちよく生活できるとステキだなと思います。


助産院での出産

昨日、

『今弱い陣痛がきています。助産院にいます。まだ時間はかかりそうですが。』

というメールをいただき、今朝、無事に生まれました!とのメール。

この方は、少し長めの赤ちゃんと出会う旅をしたかたです。

自然妊娠を目指し、34歳から漢方薬や鍼灸治療を積極的に取り入れていらっしゃいます。不妊治療でよくいわれる年齢の壁の一つである『37の壁』を前にして、より力強く積極的な高度生殖医療まで挑戦したのに、こうのとりは、彼女の元にやってきてくれませんでした。

そんな、赤ちゃん!赤ちゃん!とがんばっている患者さんご本人と治療者である私の肩を透かすように、こうのとりはあっさりとやってきて、フンワリとお腹におりたち、どんどん日々その存在を、大きなお腹で示していてくれました。

途中で、逆子ちゃんになるも、鍼灸治療であっさりと戻り、無事に自然分娩の日 をむかえたのです。母子ともに元気!大きめの女の赤ちゃん。




助産院での出産を彼女が言い出したとき、私の中には、そういった選択が思い寄 らなくて、『えっ助産院??』と正直言って驚きました。


彼女は、

『私も、あのときの体外受精で、すんなり授かっていたら助産院で産もうとは思わなかったと思います。でも、こんな不思議な経過で私のところにやってきてくれたので、産むのもできるだけ自然な経過が取れるところで産みたいなあと思ったのです』

私はいままで、出産そのものについてあまり深く考えたことがありませんでした。

今回のお話をきっかけに、助産院のHPをみたり、内田樹さんの『身体知-身体が教えてくれること』という本を読むうちに、『ああ、私にもいまだに、お腹に子供のいた感覚、おっぱいがでて、胸が脹る感覚がある。もっと出産そのものの感覚が残っていたらもっともっと豊かだったろうに』と思い始めています。

そして、助産院で出産できる彼女のことを、とても羨ましく、また、そのような決心をした彼女をすばらしいなあと思いました。

助産院で産めば、ただそれだけで自然でよいお産だとは思いません。

今回の場合は、こういった長い経過の中ので、彼女が自然にそして素直に選びついたところが、助産院だったんだなと思います。




お産は、きれいごとばかりではありません。母子共に生命の危険にさらされる場合もあります。

私は、不妊でお悩みの方のパートナーであり、その後、妊娠中の体調管理のパー トナーでもあります。東洋医学の世界にいて、からだの力を応援し、その方の自然な力を応援する立場にいます。妊娠は、そんな自然な力の応援と、西洋医学的な近代的な応援がミックスされることが必要な世界だと感じています。

そのなかで重要なことは、どちらかに『拘わり過ぎない』ことではないかと思うのです。

妊娠にしても、自然妊娠を積極的に狙いがんばってみるやり方もありますし、ある程度の目処をもって積極的に高度生殖医療にも挑戦することがよりよいケースとなる場合もあります。

出産でも助産院などで生まれる力そのものを信じ出産を迎えるケースもありますし、設備の整った病院などでしっかりとフォローの手を借りての出産もあります。




妊娠、出産は、女性の生理的な出来事のひとつということができます。

ごくごく当たり前に経過すれば、医療の力など要らない場合もあるでしょう。

ただ、現代に生きる私たちには、その力を借りることで、大きく可能性を伸ばすこともできるし、危険をさけることもできるのです。

生命を生む体験、臆病すぎず、大胆になりすぎず。その人の人生に とって、素晴らしい体験となることを祈っています。



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